マヨラーさんへ

ここのところ、語源を探る話や、料理の歴史にかかわる
事柄などを、お届けしてまいりましたが、今日の話題は
くだけて、「マヨラー」といきましょうか。
 
 「マヨラー」て言うんだってね。「マヨ中」の人を。
マヨ中、てぇのは「まよなか」ではなくて「まよちゅう」。 
マヨネーズ中毒の略で、あたしが、今思いついたんですがね。

 何にでもマヨネーズ、てのは少し「キモい」 ような気も
しますが。

「キモい」というのは、気持ち悪いのか、気持ちいいのか 
どっちかしばらくの間わからなっかたが、
どうも、気持ち悪いほうを言うらしいね。

 こういう現代用語の基礎知識を、お客様にお尋ねするのは
ちょいと、憚(はばか)れますし、ましてや したり顔で
おやじが使ったら、それこそ「キモーい」なんて
言われかねません。

 先日、ウチの若いものが 「これ、ぜんぜん うまいじゃん」
なんて抜かすから、全然(ぜんぜん)という語のあとは
打消しや、否定的な表現がくるものなのだ。日本語の勉強も
しておけ、と叱ってやった。

 気になったので、辞書で調べてみた。そしたら、
アレ いいんだってね。
「全然(ぜんぜん)」という語には「すっかり」とか
「まったく」とか「非常に」、、等等の意味があって 
必ずしも否定的な表現でなくてもいいらしい。

 「ぜんぜん愉快だ」、なんていう例文も載っている。
(小学館・大辞泉・第1版」)

 半可通(はんかつう)の「知ったかぶり」は いけませんやね。
で、マヨ中 じゃなかった、マヨラーに話はもどります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日の品書き(目次)

【1】マヨラーさんへ 

■マヨネーズをご自分で作りましょう。
■マヨネーズ料理のバリエーションを愉しみましょう。
■応用例1・「鶏もも肉とアボカドと野菜のサラダ。」
■応用例2・「茄子のマヨネーズ焼き、秋味」
■マヨネーズで知ったかぶり をちょっとだけ。

【2】和食・たまごの素焼き

【3】あとがき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【1】マヨラーさんへ

 私、48年ほど前の秋口にはじめてマヨネーズというものを
知りました。友人の家でご馳走になりました。どんな料理かは
忘れてしまいましたが、

マヨの感触は覚えております。ぬるくて、何か異様な味と
ヌメリ。あったかご飯にバターを忍び込ませて食うのは
好きでしたが、これは飯に合う代物ではないなと、子供ながらに
思ったものでした。

 マヨネーズは自己主張の強い食材でありまして、何かにかけて
いただくと、みな同じ味になってはしまいませんか。
ブロッコリーもカリフラワーも食感こそ違いますが、
マヨの味しかしませんがな。

 そこでマヨラーさんに3つ ご提案。

【マヨネーズをご自分で作りましょう】ご自身の味を追求して。

【マヨネーズのバリエーションを愉しみましょう】
そえるだけではなく いろいろ調理法がありますよ。
食材としてのマヨの認識を。

【マヨネーズで知ったかぶりをちょっと。】これでマヨラーさん
 免許皆伝。あたしが太鼓判。(うれしくはないか。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■マヨネーズをご自分で作りましょう

 材料の目安から。
 卵黄:2個分。酢:60cc。サラダ油:300cc。塩:15cc。
 胡椒:少し。
マスタード:15cc。

 まず、ボールのなかの水気を拭いて乾かすこと。この中に卵黄、
塩、胡椒マスタード、半分の量の酢(30cc)を入れて、
泡立て器でかき混ぜます。

そこへサラダ油を ごく少量たらして手早くかき混ぜます。更に
ごく少量ずつサラダ油を垂らしながら絶えずかき混ぜます。

 このあたりが重要なところで、油を一度にたくさん入れては
ダメ。かき混ぜる速度が遅いのもバツ。

 サラダ油をすべて入れ終わっても、全体が白っぽくなるまで
手をゆるめてはいけませんね。

 白っぽくなって、少し固めと思われるくらいになったら、
残りの酢を少しずつ加え、かき混ぜます。 酢を入れると
ゆるくなります。程よい硬さになりましたら、更に1分間、
ガマンして混ぜ続けてください。

 滑らかなマヨネーズが出来上がりましたでしょう。味を
ととのえて下さい。
かくし味に少しの砂糖や 醤油をポトリたらすのもアリです。
少量ですよ。

 簡単でしょ。それでも、もし失敗して分離してしまったら、
こうしましょう。

イ.新しく固めのマヨネーズを作ります。酢を少なめに油を
 多めにしますと固めのものが出来ます。これに失敗作を
 少しずつ加えて、混ぜ合わせていきます。
 当然、最初に予定していたものより、増えてしまいます。

ロ、卵白を泡立てます。これを少しずつ、失敗作に混ぜ込んで
 いきます。

ハ、今回はあきらめます。酢や柑橘類の絞り汁を更に加えて、
 味を調えマヨネーズではなくドレッシングとして
 生き返らせてあげましょう。
 そのときは 再度、マヨネーズ作りに挑むことを
 誓ってください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■マヨネーズのバリエーションを愉しみましょう 

 マヨネーズは何かを混ぜるだけで
いろいろなマヨネーズソースが出来上がります。

 たらこや明太子マヨネーズはよく見かけます。
わさびマヨネーズなんてのも土産物屋さんで売っていますね。

 オーロラソース とかいうんでしょ、ケチャップ混ぜたやつ。

 いか墨といかワタを漉して、煮きった白ワインを混ぜると
いか墨入りマヨネーズとなります。

 このほか、抹茶、刻み叩いた山椒の葉、味噌、裏ごしした梅干、
胡麻、みじん切りの大葉とすり下ろした柚子、、、などなど
際限なくありそう。

 アンチョビソースを混ぜればシーザースサラダに使う
ドレッシングに近いものが出来ます。

 マヨネーズを作るときに酢をワインビネガーや
ハーブビネガーにすると、より洋風らしくなります。

 サラダ油をオリ-ヴオイルに替えればまた別の風味となります。
全部をオリ-ヴオイルではきついとお思いの方はすこしにして
お試しを。

 アイオリソースというのがありましょう。
ブイヤベース食うときにつけるやつ。アレはマヨネーズに 
おろしニンニクとレモンの絞り汁を
混ぜればOK。茹で蛸や魚のフライでもいけます。

 フライといえば、タルタルソース。これは、混ざるもの
少し多いのですが、牡蠣フライには欠かせませんな。
そろそろ季節到来ですか。ヨダレが。。。  失礼しました。

 タルタルソースの中身は固茹でたまご、ピクルス、
さらし玉ネギ、ケッパー、パセリ、これを全部みじん切り
にして、マヨネーズにまぜる。塩、胡椒。

 サウザンドアイランドソースというのもありましたね。
これにはね、タルタルソースの材料と更にトマト、赤ピーマン、
ケチャップが入ります。玉ネギは、いらないかもしれないね。
塩、胡椒、パプリカ。


 ただ混ぜ合わせるだけでも、たくさんの、バリエーションが
出来る訳です。

 野菜スティックにそえたり、和え物につかったり、サラダの
ソースとしても応用してください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■応用例1・「鶏もも肉とアボカドと野菜のサラダ。」

 作り方。
 
 鶏もも肉を軽く茹でる。塩を入れてね。このお湯は棄てないで。

 野菜(セロリ、キュウリ、ニンジンなど)をさいの目に切り、
さっきのお湯で湯がいて冷水に取り、水気を切る。それぞれの
野菜の茹で時間は調節してください。少し歯ごたえがある程度が
よろしいかと。
 
 先の鶏もも肉も野菜の大きさにあわせて切り、再びボイル。
今度は中まで火を通すこと。

 アボカド。皮は器として使いますから、ていねいに残して、
果肉を取る。
そのやり方。たて半分に切って、種を出し、皮と果肉の間に
包丁を浅く入れ、皮に沿ってゆっくりひと廻り。

 果肉に十字に包丁目をいれて、スプーンで取り出す。
それを野菜よりやや大き目のさいの目に切る。
 
 材料、全部を合わせて塩、胡椒。マヨネーズを入れ 
ていねいに合える。
残しておいたアボカドの皮につめて出来上がり。天に パセリの
みじん切りとか、シブレットの小口切りとか セルフィーユなどを
乗せれば、なおよし。

 材料の割合はお好みでよろしいんですが、それぞれの
野菜よりも鶏もも肉とアボカドを多くしたほうが調和が
とれるかとおもいます。
 


 マヨネーズに火を入れてお使いになるなら、ジャガイモや
白身魚や貝(カキやハマグリ)などにかけてオーブンなどで焼く
というのもあります。

 マヨのなかになにかまぜてから乗せてもいいですね。エビや
炒めたきのこなど。この場合、白身魚、などは先に火を
入れておいた方がよい場合もあるでしょう。

 鶏がらスープの中に、マヨを溶かして焼いたもちを入れて
雑煮風なんてのも出来ます。マヨを入れたら沸騰さては
いけませんよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■応用例・2「茄子のマヨネーズ焼き、秋味」

 材料:茄子。しめじ、舞茸などきのこ。銀杏(ぎんなん)。
    帆立貝柱。ハムかベーコン。 

 ヘタのついたままのナスを縦にして、3分の1ほどのところを
切り落とす。3分の2のほうの果肉をくりぬいて、さいの目に切る。
3分の1のほうもさいの目に切る。これをバターで炒めて、
塩、胡椒。

 きのこも さっとバター炒め。ホタテ貝柱は湯に通して
さいの目に切り、これも軽く炒めておく。銀杏はカラと薄皮を
とっておく。

 ハムかベーコンはアラレに切る。材料全部をマヨネーズで
和えて、さっきの果肉をくり貫いたナスに詰めてオーブンで焼く。

 きのこ、銀杏が入るから「秋味」。いろどりとして赤いものが
ほしい場合はエビを入れるとか、ホタテ貝を
北寄貝(ホッキガイ)にするとか。

 ナスに合いそうなものなら何でもかまいません。
炒めて和えて詰めて焼く。お試しください。

 

 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■マヨネーズで知ったかぶりをちょっと。


 18世紀中ごろ、ルイ15世の時代、フランスとイギリスの紛争が
勃発。フランス軍はイギリス領である地中海の島、
ミノルカ等を占領。

 ここにはマオン(Mahon)という港町がありマヨネーズは
ここの伝統ソースであった。
このソースにフランス軍の元帥リシュリュー公が魅了されて
しまった。製法を故国に持ち帰り、マオン風ソースと命名。
Mahonnaiseが
Mayonnaiseとなり、世界中に広まったというのが 有力な説。 

 日本では大正14年、キューピーの創設者、中島薫一郎が
製造販売。第2次大戦中は中止したが、戦後昭和23年製造販売再開。

 以上で、マヨラーさんへのご提案、終わりですが、
さらに上級をめざすマヨラーさんへ宿題を出しておきます。

 ◎お店で売っているマヨネーズは冷蔵ケースに入れずに
普通の棚に陳列しています。ナゼですか。

 ◎ドレッシングは ほっておけば分離してしまうのに、
なぜマヨネーズは分離しないのですか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
【2】和食・たまごの素(モト)焼き

 和食の修行をしてきたひとは、マヨネーズを作るのが
うまい人多いんです。

 実はね、日本料理にもマヨネーズと似た作り方をするものが
ありましてね、「たまごの素(モト)」と言うんです。

 酢は入れませんが、あとはおなじ。これは、味にコクを
出すために、魚やエビのすり身に混ぜて使います。

 あるいは、魚やカキにかけて焼く「もと焼き」と言うのも
あります。

 もと焼きは野菜を湯がき、すりおろして混ぜるなど、味付けや
いろどりに、工夫を凝らすこともあります。

 漢字は「素焼き」でいいのでしょうが、
「すやき」と間違えてもいけませんからひらがなにしておきます。

 漢字といえば、マヨネーズの材料である「たまご」ですが、
卵と玉子をどう使い分けていらっしゃいますか。
生物学的意味では「卵」、食材としての「玉子」という
ところでしょうか。

 私のところでは調理前を「卵」、
手を加えたら「玉子」としています。
「きのこに たまごをとじてくれ」とお客様のご注文は卵。
まだ調理前ですから。

 お出しするときは「きのこの玉子とじお待ちどうさま。」
音は同じですけど。

【3】あとがき

♪Left Alone ・ 1959 (w)Billy Holiday (m)Mal Waldron

ここにに掲げました
曲の題名は、今日の話題のどこかに、少しでも触れることあれば
選んでしまいます。

 なるべく、ジャズのスタンダードからと 思っているのですが、
タネが尽きるかもしれません。

 こじつけはもちろんのこと、かなり苦しいものもありますが、
そこは●●に任せております。ご寛大にと、お願いしておきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ・第10号でした。9号までの題材は、どちらかといえば
 得意の分野。今回はマヨネーズ。お若いお客様に受けようてぇ
魂胆じゃないんですが、
 
 時には、このようなものも織り交ぜて、と思っています。
ご意見をお聞かせください。

 ・もうじき土曜になります。今、金曜の深夜。
お客様も店の連中も、もう帰ってしまいました。

 ちびりちびりやりながら、キーボード叩いておりますが、
小腹がすいてきました。冷蔵庫の中をのぞいてまいります。

 ひじきをマヨネーズで合えた、賄いの残り物が。若い者が
用意しておいてくれたんですが、正直、マヨネーズは
今夜はもう結構。ひじきの煮物のほうがうれしかったなあ。

 

Copyright © 2005 うんちく 旬ばなし. All rights reserved

TOPへ 料理 うんちくと雑学・旬ばなし・秋 マヨラーさんへ