■地鶏の龍田揚げ ■刺身その1
見様みまねで始めた稼業です。無知で無謀でした。
料理も経営も。 当初は2足の草鞋だったんです。
若かったからできたんでしょうが、その
あたりのことは 追々おはなししてまいりましょう。
始めたころは お客様に話し掛けられるのが怖かったですね。
刺身のツマ とケンの違いを問われ しどろもどろになった
こともありましたっけ。
「地鶏の龍田揚げ」をご注文いただき、龍田揚げ は から揚げと
どこが違う か聞かれて答えに窮したこともありました。
そんな なつかしの 冷や汗メニュウから始めてみましょうか。
◆◇◆きょうの品書き(目次)◆◇◆
【1】刺身 その1 「けん」と「つま」
【2】今日の賄い
【3】地鶏の龍田揚げ
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【1】刺身 その1 「けん」と「つま」
居酒屋や和食店などで刺身を注文しますと、添え物や
あしらいものが盛っ てありましょう。大根やきゅうりの
せん切りや 青じその葉(オオバ)、 おろし生姜、
おろし山葵(ワサビ)など。
これらの添え物を「つま(妻)」といいます。「つま」を更に
分けますと 「つま」、「けん」、「からみ(辛味)」となります。
「つま」は大概、刺身の前や脇にあります。
赤蓼(アカタデ、アカ芽)、 穂じそ、防風(ボウフウ)などが
一般的でしょうか。
「けん」は大根、きゅうり、人参、時にはカボチャ等を細く
せん切りにした もので、刺身の後ろに高く盛ったり、
下に敷いたりします。敷く場合は 「敷きづま」とも呼ばれます。
「からみ」は山葵(ワサビ)や生姜などです。
これら「つま」、「けん」、「からみ」等は盛り付けをきれいに
見せるためだけ ではなく、生臭みを和らげ、消化促進の
効果がある、というのはご承知の とおりです。 いっしょに、
召し上がってください。
汁もの や 吸いもの にも「つま」があるのをご存知ですか。
(「知るもんか。」なんて仰らずに。)
汁もの、吸いもの では主になる具を「椀種(ワンダネ)」。
副の野菜など を「椀づま」。香りをつけるためのもの、
ユズや木の芽などを 「吸口(スイクチ)」といいます。
「汁もの」と「吸いもの」の違いをひとこと。
「汁もの」は味噌汁のように濁ったもので、「吸いもの」とは
澄んでいるもの。 と思っていらっしゃる方、多いのですが
間違いだそうです。
本来は、酒の肴としての つゆもの が「吸いもの」で、
ご飯といっしょに出てくるものが 「汁もの」だそうです。
「つゆもの」と、言っておけばまちがいないわけですね。
つゆ知らず、刺身のつまの話からだいぶ それてしまいました。
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【2】今日の賄い
あまった刺身を使いましょう。
みなさまのご家庭では残り物の刺身はどのようになさいますか。
「ヅケ」にしてあとで召し上がったり、どんぶり にするなどが
一般的でしょうか。フライパンで焼いたり、アルミフォイルで
包んで 蒸し焼きとか、表面をバーナーで炙って、サラダ仕立て
なんかもいですね。
これらは、いづれ賄い料理として、この欄に登場させますが、
残った刺身が白身魚でしたら、こんなのは いかがでしょうか。
●白身の刺身を皿に敷きます。それにサラダオイルを刷毛で
塗ります。
ラップフィルムを被せて冷蔵庫へ。食事時間になりましたら、
取り出して 卵黄をときほぐし、その上に廻しかけます。
それで食卓へ。
召し上がる方は、おろし山葵をのせ、醤油を適宜注ぎます。
よくかき混ぜてからいただきます。酒菜でよし、飯でよし。
上は宇和島の鯛めしからヒントをいただいたものです。
宇和島の鯛めしは 、鯛をご飯に炊き込むものではなく、
鯛の削ぎ身を、玉子を溶きいれたタレ に漬け込み ご飯にのせて
薬味とともにいただくというものです。
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【3】地鶏の龍田揚げ
落語に「ちはやふる」ってぇのがありやしょう。知ったかぶりの
ご隠居が百人一首の珍解釈を、語るてぇやつですね。
あたしも 知ったかぶりですが まだご隠居じゃぁありやせん。
もとの歌は在原業平。六歌仙のうちの一人。
「千早ふる神代もきかづ龍田川 からくれないゐに水くくるとは」
落語の龍田川は相撲取りという事になってますが、本来は、
奈良の竜田川。からくれない(唐紅)色に、
紅葉で紅く染まった川面、 というわけ。
龍田揚げは酒、醤油、に魚や肉類を漬け込み、片栗粉を
まぶして、 あるいは水溶き片栗粉をつけて揚げます。
紅葉の色合いに似て いるからこの名をもらったんだと。
ここまでは、ごぞんじのかたが 多いんです。
じゃぁ、紅葉揚げという名だっていいじゃん。
ここで「水くくるとは」が登場。これは
くくり染め(括り染め =絞り染め)にしたような、という意味
なんですって。
熱が通ると片栗粉は白っぽくなる。紅葉色のところに、
白っぽい 点点が。くくり染めのように見える、
紅葉の流れる龍田川、にも 似た龍田揚げの完成と相成る。
(あんまり似てねえや。)
最近では下味つけて揚げたものを、龍田揚げと呼んでいる店が
多いようです。
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●当店の地鶏龍田揚げ
地鶏もも肉(ご家庭では地鶏でなくても、かまいません)
の皮のほうから金串数本で突いて(針内ちという)、身のほうは
包丁で筋を切る。適当な大きさに切り分ける。
つけ汁の中に15分くらい、漬けておく。
(つけ汁 酒2、みりん1、醤油1、生姜の汁すこし)
下味をつけた鶏肉の汁を拭いて、片栗粉をつけ、衣をたっぷり
つけて、じっくり揚げる。(160度から170度くらい)
ひっくり返しながら。
(衣 卵白を泡立る。ゆっくり落ちるくらいまで。片栗粉を
入れてまぜあわせる。鶏1枚なら卵白2、3個分、片栗粉大さじ
3~5くらい)
卵白を使った衣、試してください。仕上がりは良いし、
味も逃しません。
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●地鶏について 少しだけ
秋田の比内鶏や愛知の名古屋コーチンなどが有名ですが、
地鶏の種類も、40種以上あるそうです。
地鶏の定義は、日本農林規格(特定JAS)できまっています。
在来種由来血液50%以上で、飼育期間80日以上、
1㎡あたり 10羽以下の放し飼いなど、生産基準、飼育基準が
あります。
販売表示も通常の表示に加えて、種鶏の組み合わせ、飼育方法、
飼育期間、生産者名なども記すことになっております。